2026年1月6日
10月11日(土)、りゅーとぴあ能楽堂にて「愛と公益~渋沢栄一が目指した世界~in Niigata」を開催しました。本イベントは、公益財団法人渋沢栄一記念財団と株式会社ヘラルボニーの主催、やまなみ工房および新潟市東区社会福祉協議会の共催により実施されたもので、「日本資本主義の父」渋沢栄一が唱えた「愛と公益」の理念を、現代の福祉やアートの視点から見つめ直す機会となりました。

開会に先立ち、能楽堂入口ではやまなみ工房のアーティスト吉田陸人氏によるライブペイントが行われ、来場者は創造の瞬間を間近で体感しました。またステージ上では、新潟における多様なアーティストとのコラボブランド「Black/Kanvas」の紹介が行われ、新潟におけるアウトサイダーアートとビジネスの可能性も示されました。続くオープニングアクトでは、新潟市東区山の下地区で復活に取り組む伝統芸能「山の下神楽舞」が披露され、地域の絆や文化継承の大切さが力強く表現されました。
第1部では、ヘラルボニーの亀山紘治氏と、やまなみ工房の山下完和氏が登壇しました。両氏からは、アートを通じて福祉と社会をつなぐ実践とともに、障がいのある人との向き合い方について、本質的な問いが投げ掛けられました。


特に、「障がいのある人が変わるのではなく、社会の側が変わらなければならない」という言葉は、会場に強い共感を呼びました。障がい者理解を言葉で伝えることには限界がある一方で、アートや文化を媒介とした実践は、人の感性に直接働きかけ、固定観念を揺さぶる力があることが語られました。
ヘラルボニーが展開する「異彩を、放て。」という活動は、まさに文化を切り口にボーダーを越え、福祉とビジネスの間にある境界線を溶かす試みであること。一方、やまなみ工房では、利用者一人ひとりの「やりたい」という内的衝動を尊重し、できない部分も含めて個性として受け止めることで、表現を通じて人が生き生きと輝く場を生み出していることを、共有しました。
またセッションでは、福祉を学ぶ学生の学びの姿も紹介され、支援のあり方を“教える側”から“ともにつくる側”へと問い直す視点も示されました。両氏の実践は、福祉と社会の関係性を大きく揺さぶり、新たな価値観を提示するものとして、高い関心を集めました。


第2部トークセッションでは、渋沢田鶴子氏(渋沢栄一記念財団筆頭理事)と原田正樹氏(日本福祉大学学長)を迎え、「渋沢栄一の慈善・博愛(Philanthropy)と公益」をテーマに対話が行われました。渋沢栄一の「道徳経済合一説」や、養育院・中央慈善協会(全国社会福祉協議会の前身)など数多くの社会事業が紹介され、経済活動と社会的使命の調和という理念が現代の福祉にも通じる普遍的価値であることが語られました。ヘラルボニーややまなみ工房の取り組みは、まさに現代において“水面に波紋を起こす”ように社会へ広がり、福祉や価値観そのものを変えていく力を持っていることが語られました。
さらに、社会福祉協議会の果たす役割やボランティア活動の意義、地域共生社会の実現に向けた課題などが多角的に論じられ、「福祉とは、人と人とのつながり、“思いやり”や“やさしさ”を基盤にした営みである」とのメッセージで締めくくられました。
終盤では、子どもたちから登壇者へのバルーンフラワーの贈呈が行われ、温かな拍手に包まれました。最後に、参加者全員で記念撮影を行い、世代を超えて「愛と公益」の精神を共有する場となりました。
本イベントは、渋沢栄一が遺した理念を、アートと福祉、地域の実践を通して再発見する貴重な機会となりました。ご参加いただいた皆さま、そして開催にご協力いただいたすべての方々に心より感謝申し上げます。
【「愛と公益」~渋沢栄一が目指した世界~in Niigata 実施状況(ダイジェスト)動画URL】
実施状況動画はフルバージョンもございます。視聴を希望される方は、新潟市東区社会福祉協議会までお問い合わせください。